つみたてNISA(積立NISA)とiDeCoを比較しながら解説。従来のNISAとの違いも紹介

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つみたてNISA(積立NISA)とiDeCoを比較。従来のNISAと違いは?

つみたてNISAがスタート

2018年1月から、少額投資非課税制度の新たなラインナップとして「つみたてNISA」がスタートします(口座開設は2017年10月から受付を開始)。少額投資非課税制度は、まず2014年に「NISA」制度が導入され、2016年には年間投資額を100万円から120万円に拡大。さらに同年、子供の教育資金形成を目的とした「ジュニアNISA」も追加されました。

また、2017年1月には、主として自営業者向けの投資型老後年金制度だった「確定拠出年金」(DC)が、会社員や主婦等にまで対象を拡大し、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」としてリニューアル。毎月一定額の掛金を拠出して、金融商品等を購入し、60歳になるまで運用するというのが制度の概略です。

つみたてNISA、従来のNISA、そしてiDeCo。いずれも税制面でのメリットがあるものの、「違いがよくわからない」「どれを選ぶべき?」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、本特集では新制度である「つみたてNISA」について解説しながら、iDecoとの違い・従来のNISAとの違いについて紹介します

つみたてNISAの概要

つみたて・イメージ

本来、株式の売買や投資信託の購入で得た利益に対しては、20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)、配当金を得た場合には20.42%(所得税+復興所得税)の税金が課せられます。しかし、NISA口座を利用した投資では、それらの税金が非課税になります

つみたてNISAでは、このような従来のNISAのメリットを継承しつつも、より長期の資産運用に適した内容になっています。つみたてNISAの年間投資額は40万円まで。たとえば、つみたてNISAの口座で、毎月3万円分の金融商品を購入する(夏冬のボーナス時期に2万円ずつ増額すると40万円の枠を使い切ることも可能)といった使い方で利用します。

つみたてNISAの口座は、NISAと同じく20歳以上の方であれば誰でも開設可能です。運用する金融商品は投資信託のみとなっており、その運用益が非課税となります。非課税期間は20年間。毎年限度額まで購入した場合には、総額800万円分の運用益が非課税になります。ただし、従来のNISA同様、その年の余った非課税枠を、翌年の非課税枠に繰り越すことはできません。

運用する金融商品は、金融庁の条件を満たした投資信託(長期・分散投資・積立に適したもの)のみです。つみたてNISAの開始にあたって、金融庁は投資信託の販売会社に対し、売買手数料や信託報酬などを所定の基準内に収めるよう指示しており、つみたてNISAで利用可能な投資信託はすべて、長期運用に有利な運用コストの低い商品となっています。

つみたてNISAとNISA、iDeCoの違い

つみたてNISA NISA
対象者 20歳以上
投資可能額 年間40万円 年間120万円
非課税期間 投資開始年から最長20年間 投資開始年から最長5年間
税制優遇の内容 配当金・分配金・譲渡益の非課税
運用商品 一定の要件を備えた投資信託等 株式、投資信託、ETF、REIT
メリット
  • 信託報酬が割安(法令上限あり)
  • 解約(資金の引き出し)は随時可能
  • 運用商品のラインナップが豊富
  • 年間投資額が多い
  • 解約(資金の引き出し)は随時可能
デメリット
  • NISAとの併用不可(年ごとにいずれかを選択
  • 運用商品は投資信託が主流
  • つみたてNISAとの併用不可(年ごとにいずれかを選択)
  • 非課税期間が短い
iDeCo
対象者 20歳以上60歳未満
投資可能額 年間14.4万円~81.6万円(職業、企業年金加入状況等により異なる)
非課税期間 60歳まで
税制優遇の内容
  • 掛金が全額所得控除(住民税・所得税の軽減)
  • 運用益の非課税
  • 退職所得控除もしくは公的年金等控除
運用商品 投資信託、保険、定期預金
メリット
  • 運用益の非課税に加えて、積立時(掛金)と受取時(一時金or年金)も所得控除の対象となる
  • 運用商品の入れ替えが可能
  • 元本確保型の運用商品がある
デメリット
  • 60歳までは原則解約不可
  • 運用益を狙う商品は投資信託が主流

iDeCoもNISAも可能なおすすめの証券会社

SBI証券

SBI証券・画像

ネット証券会社大手。2017年5月よりiDeCoの手数料(証券会社受取分)をすべて無料化している。iDeCo向けの投資信託も豊富で、信託報酬を抑えた商品のラインナップが充実している。商品選びの際にはiDeCo専用のロボアドバイザー「SBI-iDeCoロボ」も利用可能。自分の投資方針に合った金融商品を提案してくれる。
また、NISA口座では、国内株式(国内ETF含む)の売買手数料と、海外ETFの買付手数料が無料。IPO銘柄(新規公開株式)も多数取り扱っており、NISA口座で運用できる。「投信マイレージサービス」では、投資信託の保有額に応じて、SBIポイントを付与。貯めたSBIポイントは最大0.85%の還元率で現金に交換できる。

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つみたてNISAとNISAを比較

NISAは、正式名称を「少額投資非課税制度」と言い、金融庁が所管する制度です。20際以上の方は誰でも利用可能で、年間120万円を限度に、運用益が非課税になります。

つみたてNISAとNISAを比較した場合の違いは、年間投資額・非課税期間・投資対象(金融商品)です
従来のNISAは、年間投資額が120万円まで、非課税機関が5年間なので、総額600万円までが非課税。一方のつみたてNISAは、年間40万円の投資額が20年間(非課税の総額は800万円)と、非課税枠の額面では、よりお得になっています。しかし、つみたてNISAの投資対象は、一定の投資信託のみであり、従来のNISAよりも限られています。金融商品の選択肢が少ない点は、つみたてNISAのデメリットと言えるでしょう。

NISAの投資対象 内上場株式、投資信託、国内外ETF、国内外REIT
つみたてNISAの投資対象 一定の投資信託のみ

このように考えると、つみたてNISAは長期の資産形成、NISAは短期~中期の運用でキャピタルゲイン(売買差益)を目的とした株式売買などに適していると言えます。

また、NISA口座は1人1口座までしか開設することができず、すでにNISA口座を持っている方は、従来のNISAか、つみたてNISAかを選択しなくてはなりません。年単位で、従来のNISAとつみたてNISAを変更することは可能です。(変更する年の9月末までに変更手続きが必要)

iDeCoもNISAも可能なおすすめの証券会社

楽天証券

楽天証券・画像

楽天グループが運営するネット証券会社。SBI証券と同様、2017年5月よりiDeCoの手数料(証券会社受取分)をすべて無料化している。また、投資初心者向けにiDeCoの無料セミナーを実施。
NISA口座は、国内株式の売買、海外ETFの買付手数料が無料(海外ETFの買付はキャッシュバックによる実質無料)。投資信託を50万円以上保有すると、楽天スーパーポイントが毎月付与される。また、楽天銀行と楽天証券の口座を連携させる「マネーブリッジ」を利用すると、楽天銀行の普通預金金利が5倍(0.10%)にアップ。楽天証券を利用する際は、楽天銀行の口座開設もあわせて検討したい。

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投資目的を明確にして3つの制度を使い分けよう

いかがでしたか?
NISAとつみたてNISAは、年間投資額・非課税期間・投資対象に大きな違いがあります。また、NISAとは所管が異なるiDeCoは、主に老後資金を貯めることが目的です。長期運用という点ではつみたてNISAと共通していますが、投資対象や税制面でのメリット・投資可能額が異なる点を覚えておきましょう。

老後資金など、将来必要な資金を貯めることが目的であれば、つみたてNISAやiDeCoにメリットがあります。しかし、株式投資での利益を非課税にしたいという目的であれば、NISAを選択することになります。

つみたてNISA、NISA、iDeCoといった税制優遇制度を活用する際は、「いつまでに」「何のための資金を」「どれくらい」用意したいのか、という投資目的を明確にして、それぞれの制度を上手に使い分けましょう。

Author:久我裕紀

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