個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを比較しながら、その違いを解説。

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個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAを比較。違いは?

iDeCoとNISAって何が違うの?

iDeCoとNISA、どちらも税金が優遇される等、なんとなく「お得そう」なことはわかるけれど、具体的にどのような違いがあるのかわからない、という方も多いでしょう。

本特集では、個人型確定拠出年金(iDeCo)とNISAとを比較しながら、その違いと上手な使い分け方を紹介します

iDeCoとNISAの基本

まず、iDeCoとNISAの基本的な仕組みを解説します。

iDeCoとは?

iDeCoは正式名称を「個人型確定拠出年金」と言います。もともとは自営業者および企業年金のない会社員のための年金上乗せ制度としてスタートしました。2017年1月に、加入者の範囲が大幅に拡大され、公務員や主婦、企業年金のある会社員もiDeCoを利用可能に。正式名称に「年金」とあるように、iDeCoは基本的に老後の資金を形成するための制度です

NISAとは?

一方のNISAは、2014年1月にスタート。正式名称は「少額投資非課税制度」と言います。日本人は投資よりも貯蓄が好き、と言われるように、資金の流動性が低い点が、日本経済の課題の一つです。
NISAは、「貯蓄から投資へ」お金の流れを強化するために導入された税金優遇制度。もちろん、老後の資金のためにNISAを利用することもできますが、より短期的な資産形成を促進するための制度と言えます

iDeCoとNISAを比較

それでは、iDeCoとNISAの違いをより深く理解するために、もう少し具体的に比較してみましょう。

iDeCo

お金

iDeCoでは、職業によって投資可能な上限額(掛け金の上限額)が異なります
公務員や企業年金に加入している会社員は月1万2,000円(年間14万4,000円)まで、自営業者は月6万8,000円(81万6,000円)まで。月々の掛け金は、上限内で5,000円から1,000円単位で自由に設定することが可能です。

また、投資によって得られた運用益は全額非課税、掛け金も全額所得控除の対象となります。さらに、年金を受け取る際、一時金として受け取る場合には退職所得控除、年金として受け取る場合には公的年金控除の対象にもなります。

iDeCoの投資対象は「投資信託」「預金」「保険」の3種類。資金の投資先は自分で選択する必要があります。運用可能期間は20歳から60歳まで。加入期間と掛け金の額、投資商品の利回りによって、将来受け取ることのできる年金額が変わります。
資金の引き出しは、原則60歳になるまで不可能なので、長期運用が前提となります。

iDeCoの特徴

  • 職業により投資可能上限額が異なる(年間14万4,000円〜81万6,000円)
  • 掛け金は全額所得控除の対象となる
  • 運用益は全額非課税
  • 年金受け取り時も控除の対象となる
  • 投資対象は「投資信託」「預金」「保険」の3種類
  • 運用可能期間は20歳から60歳まで
  • 資金の引き出しは60歳から

NISA

家族

NISAでは、職業や年齢を問わず、NISA口座を開設した人であれば、誰もが年間120万円の非課税枠を受けられます。また、NISA口座での運用益は、全額非課税となり、売買による譲渡益だけではなく、配当金も非課税。運用期間は最大5年までとなります。

「一度に120万円分の投資商品を購入する」「月に10万円ずつ合計120万円の投資商品を購入する」など、投資商品の購入方法も自由にコントロールすることができます。ただし、非課税枠は「使い切り」で、繰り越すことはできません。たとえば、120万円分の株式を一度に購入し、少し値上がりしたので売却した場合、1年の非課税枠(120万円)を使い切っているため、それ以降の取引により運用益が発生した場合は課税の対象となります。
はじめに10万円分の投資をしたが、その後は投資を行わず110万円分の非課税枠を残してしまった場合も、その非課税枠を繰り越すことはできず、翌年の非課税枠は初年度同様に120万円となります。

NISAの最大のメリットは、iDeCoと違い、投資対象が幅広い点。NISAでは「投資信託」に加え、「株式」「ETF」「REIT」にも投資が可能です。また、資金はいつでも引き出すことができます。短~中期の資産形成には、NISAを活用しましょう。
ただし、NISAの投資資金は、iDeCoのように所得控除の対象にはなりません。

NISAの特徴

  • 非課税枠は1年間で120万円まで
  • 運用益(譲渡益、配当金を含む)が非課税
  • 投資対象は「投資信託」「株式」「ETF」「REIT」
  • 運用可能期間は最長5年
  • 資金の引き出しはいつでも可能

iDeCoもNISAも可能なおすすめの証券会社は?

バラバラの証券会社で資産運用をしていると、管理が面倒と感じる方もいるでしょう。ここでは、iDeCoの口座とNISAの口座を同時に持つことができ、かつ運用コストが安い、おすすめの証券会社を2つご紹介します。

SBI証券

SBI証券・画像

SBI証券では、2017年5月19日からiDeCoにかかるすべての手数料が条件なしで無料となりました。iDeCo向けの投資信託商品が豊富で、投資コストにあたる信託報酬を抑えた商品も多数ある点も魅力。商品選びの際には「SBI-iDeCoロボ」というiDeCo専用のロボアドバイザーを利用でき、自分の投資方針に合った商品を提案してくれるサービスも人気です。

また、SBI証券のNISA口座では、国内株式の売買、海外ETFの買付手数料が無料IPO銘柄(新規公開株式)も取り扱っており、NISA口座で運用することが可能です。また、「投信マイレージサービス」では、投資信託の保有額に応じて、SBIポイントを獲得することができます。

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楽天証券

楽天証券・画像

楽天証券でも、2017年5月18日よりSBI証券と同様に、iDeCoの運営管理手数料が無料となっています。楽天証券も低コストの投資信託を多く取り扱っている証券会社の一つ。iDeCoの無料セミナーなども用意されているので、投資未経験の方でも安心してiDeCoを始めることができます。

また、楽天証券のNISA口座は、国内株式の売買、海外ETFの買付手数料が無料(海外ETFの買い付けはキャッシュバックによる実質無料)。投資信託を50万円以上保有している方は、毎月楽天スーパーポイントが付与されるサービスもあります。また、楽天銀行と楽天証券の口座を連携させる「マネーブリッジ」に申し込みをすると、楽天銀行の普通預金金利が、5倍の0.10%にアップする特典もあるため、楽天証券を利用する際は、楽天銀行の口座もあわせて開設しておくことをおすすめします。

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ライフプランに合わせた選択を

いかがでしたでしょうか?iDeCoとNISA、どちらも親しみやすい愛称があり、運用益が非課税になる等の共通部分はあるものの、運用できる投資商品(投資対象)や運用期間などには大きな違いがあります。

老後の資金を前提とした資産形成を行いたいのであればiDeCoを、5年~10年後のライフイベント(子どもの入学費用など)のための資産形成であればNISAを、というように使い分けて利用すると良いでしょう。

それぞれの制度のメリットを最大限に活用するためにも、iDeCoとNISAの違いを知り、両者を比較しながら、そのつど有利な方を選択していきましょう。

Author:久我裕紀

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