不動産が売れない3つの理由と対処法とは?

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不動産が売れない場合の対処法 ー売れない理由と売るためのコツー

目次
1.不動産がなかなか売れないときはどうする?
2.不動産が売れない理由 その1:不動産会社に問題がある
3.不動産が売れない理由 その2:売り出し価格の設定に問題がある
4.不動産が売れない理由 その3:物件の状態や立地に問題がある
5.まとめ

不動産がなかなか売れないときはどうする?

「住み替えのために不動産を売りたい」「相続した実家を売りたい」など、家を売る必要のある方が不動産売却に取り組んだとき、まず驚くのが「不動産はそう簡単には売れない」という事実です。
築浅、好立地かつ割安な物件であればまだしも、一般的な物件の場合は、売却に半年や1年、またはそれ以上の時間がかかるケースも決してめずらしくありません。

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不動産が期待通りに売れないと、つい焦る気持ちが強くなってきますが、買い手がつかない原因は1つではありません。不動産が売れない理由を考え、一つ一つの対処法を実践していきましょう。

一般に、不動産が売れない理由は、大きく以下の3つに分かれます。

不動産が売れない理由 その1
不動産会社に問題がある

不動産を売却する際は、多くの方が不動産会社に売却を依頼します。 売主は不動産会社と「媒介契約」を結びますが、その契約形態は、大きく下表のように分かれています。

媒介契約の種類

専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
契約する不動産会社 1社のみ 複数社OK(※1)
売主側で買主を探す
不動産会社の報告 1週間に1回以上
(法定義務)
2週間に1回以上
(法定義務)
法律上の規定なし
(任意で報告を求めることは可)
契約期間 3ヶ月間 法律上の規定なし
レインズ(※2)登録 契約後5日以内 契約後7日以内 登録義務なし

※1 明示型と非明示型の2種類あり。「明示型」…仲介依頼中の不動産会社情報を他の不動産会社にも共有、「非明示型」…他社との契約状況を共有する義務はない
※2 REINS…Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)。国土交通大臣所管の不動産データベース。登録された不動産情報を、会員不動産会社間で共有できる

レインズの登録をチェックしよう

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「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」のいずれかを結んでいる場合、不動産会社は、契約後5日以内(専任媒介契約は7日以内)に物件情報をレインズに登録する義務があります。 レインズとは、不動産会社同士が物件情報を交換するための不動産登録システム。業者のための不動産売買ツールの1種ですが、自分自身の物件であれば売主自身もレインズを確認することができます
レインズへの登録が完了した時点で、登録証とID・パスワードが発行されるため、不動産会社に登録証をもらい、登録された内容を閲覧してみましょう。
面積や間取り等の情報に間違いはないか、写真や図面の掲載はあるか等を確認したあとは、現在の取引状況もチェック。
取引状況には、「公開中」「書面による購入申込みあり」「売り主都合で一時紹介停止中」の3種類があります。
このうち、「書面による購入申込みあり」となっているのに不動産会社から内見の連絡等がない場合は、不動産会社の窓口で話が止まっている可能性(囲い込み等※後述)が考えられます。
一方、「公開中」となっているのに申し込みがない場合は、次項で解説する「販売活動報告」も確認しつつ、価格設定などについて不動産会社と話し合うと良いでしょう。

なお、レインズに登録した物件が、他の不動産会社の広告にも掲載できる仕様となっているか(広告転載区分が「広告可」となっているか)も確認できるとより安心です。 広告転載区分の項目は、レインズの売主用の画面では確認することができず、不動産会社用の登録画面でのみ閲覧が可能です。契約している不動産会社に依頼して確認してもらうか、実際の登録画面を見せてもらうと良いでしょう。

売却を担当する不動産会社の販売活動報告をチェックしよう

媒介契約を締結した不動産会社は、レインズ登録に加え、売主に販売活動の内容を報告するよう義務付けられています
「専属専任媒介契約」は1週間に1回以上、「専任媒介契約」は2週間に1回以上の報告が法定義務です。
「一般媒介契約」については、法的な義務はありませんが、任意で報告を求めることが可能。そのため、契約の段階では必ず、販売活動の報告を依頼し、報告頻度についてもあらかじめ決めておきましょう。
なお、業務報告書には決まった書式はありません。報告の内容は、電話での問い合わせ件数や、訪問顧客の数、内覧顧客の数などが一般的。それに加えて、インターネット上での販売活動(登録した不動産情報サイトの名称、物件の閲覧数、レインズに登録した図面の閲覧数など)も報告してもらえると、より安心です。

囲い込みがないかをチェックしよう

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囲い込みとは、不動産仲介会社が物件の情報を意図的に隠す行為を言います。
物件を他社に公開せず、自社で買主を見つければ、不動産会社は売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることができます。これは「両手仲介」と呼ばれ、売主や買主の売却・購入機会の損失につながることから、海外では法律で禁止している国もあります。
囲い込みを発見するには、まずはレインズをチェックして、他の不動産会社からの問い合わせ状況を担当不動産会社に確認してみましょう。

とくに、媒介契約を獲得するまでは熱心だった不動産会社が、専任媒介契約を結んだとたんに動きが鈍くなる、といった場合は要注意。
不動産会社が囲い込みをしている疑惑が大きいようであれば、売却までのスピードが落ちる可能性も高いため、契約解除を検討しても良いでしょう
「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」には、通常3か月の契約期間がありますが、国土交通省が公表する『標準媒介契約約款(標準約款)』では、不動産会社の業務が不誠実なものであった場合、期間内であっても「契約の解除が可能」と定められています。

参考 国土交通省・宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款【PDF】

信頼できる不動産会社を探すため一括査定サイトを上手く活用しよう

複数の不動産会社に査定額の見積もりを取れる「不動産一括査定サイト」は、提携する不動産会社を一定の基準で審査しています
不動産会社に対するクレーム等も受け付けているため、このようなサービスを間にはさむことで、信頼できる不動産会社を見極めると良いでしょう。

関連ページ

不動産が売れない理由 その2
売り出し価格の設定に問題がある

不動産が売れない理由の上位を占めるのが価格設定です。
レインズの登録や不動産会社の販売報告に問題がない場合は、周辺相場と比較して著しく高い価格を設定していないかをチェックしてみましょう。
売り出し価格の相場を確認する場合は、以下の3つの価格が参考になります。

  • 固定資産税評価額や相続税路線価をもとにした公示価格
  • 周辺の類似物件の販売価格
  • 不動産会社の査定額

固定資産税評価額や相続税路線価をもとにした公示価格

「固定資産税」の納税通知書に記載されている評価額は、土地が公示価格の約70%、建物は同60~70%と言われます。
また、相続税を算出する際に利用される路線価は公示価格の約80%(国税庁・路線価図)。

参考 国税庁 『財産評価機銃書 路線価図・評価倍率表』

それぞれ、元の価格に×0.7、×0.6~0.7、×0.8をかけることで、おおよその公示価格を計算することができます。
ただし、不動産は需要があれば値上がり、需要がなければ値下がりします。公示価格が必ずしも現在の相場を反映しているとは限らないので、この段階では参考価格の1つにとどめておきましょう

周辺の類似物件の販売価格

相場感を把握するには、周辺の似た物件がいくらで売りに出されているかを知ることも重要です。 不動産ポータルサイト等で類似した物件の販売価格を確認してみましょう。サイトに掲載されている物件の登録年月もチェック。長期間売れていないようであれば、価格が同水準であっても相場より高すぎる可能性があります。

不動産会社の査定額

不動産会社の査定額は、上記の2つの価格や、物件の実際の状態を参考に決められます。一般的には、物件が高く売れるほど、仲介手数料も増えるため、不動産会社の査定額は相場の範囲の中でもやや高めに設定されていることが多いでしょう。

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これら3つの価格をあわせて、現在の売り出し価格と比較し、下げたほうが良いと感じた場合は不動産会社に相談しましょう。 販売価格を下げるのは、不動産が売れない場合のもっとも有効な対処法です。しかし、値下げによってオーバーローン(売却額が住宅ローン残高を下回る)等の問題も起こりやすくなるため、実際に値下げに踏み切るのは他の要因をクリアしたあとのほうがおすすめ。 物件への問い合わせが少ないと感じた時点で、価格の妥当性について確認し、そのうえで他に要因がないかどうかもチェックしましょう。

契約中に他の不動産会社に査定を依頼してもいいの?

不動産会社と「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」を締結している場合、契約できる不動産会社は1社のみとなります。
物件の情報はレインズにも登録されているため、契約中である事実もすぐに判明し、仮に査定依頼をしても応じる不動産会社はほとんどないでしょう。
不動産会社を乗り換えたい場合は、3か月の契約期間終了を待つか、不動産会社の不誠実な対応が原因である場合は、契約解除を申し出たあとで、それが成立してから検討すると良いでしょう。
なお、不動産会社との契約が「一般媒介契約」の場合は、複数の不動産会社と契約可能なため、他の不動産会社も選択肢となります

不動産が売れない理由 その3
物件の状態や立地に問題がある

「建物の築年数が経っている」「駅から遠い」など、物件の状態や立地に問題があっても、不動産は売れにくくなります。

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内覧では、物件の第一印象が買主の購入意欲を左右するケースが少なくありません。家はきちんと掃除し、とくに水回りや窓の掃除、荷物の整理などはすませておきましょう。
物件が老朽化している場合は、リフォームも選択肢となります。通常、リフォームをした場合の費用は販売価格に全額上乗せとなりますが、実質的な値下げとして「上乗せをしない」「半額だけ上乗せする」というのも1つ。リフォームしたほうが買い手がつきやすくなるようであれば、リフォームせずに値下げのみをするよりも費用対効果が大きい場合があります
また、不動産会社の広告に「リフォーム済み」と記載されることから、買主の目にとまりやすくなるメリットもあるでしょう。

物件が駅から遠いといった立地に関する問題は、条件を変えることが難しいため、値引きなどに頼らざるを得ないケースもあります。
立地が原因で売却が難しい場合は、賃貸のニーズがないかを検討するのも選択肢の一つ。また、不動産会社の中には買い取り保証を行っているところもあるため、これらの選択肢を検討するのも1つの方法です。

まとめ

不動産が売れない理由は、多くの場合、「売り手(不動産会社)」「価格」「物件」のいずれかに原因があります。また、3つの理由が絡み合っていることも少なくありません。

売りたい不動産がなかなか売れない……と悩んでいる方は、一つ一つの理由を検討し、対処することで、ご自身の物件を早期売却に近づけることができます。
今回ご紹介した、不動産が売れない3つの理由と対処法も参考に、満足度の高い不動産売却を目指しましょう!

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