テーマ投資とは?メリットやデメリット、おすすめ証券会社を解説!
- 目次
- 1.投資先を「テーマ」で絞り込み。今話題のテーマ投資とは?
- 2.テーマ投資のメリットは?
- 3.テーマ投資のデメリットは?
- 4.テーマ投資を扱うおすすめの証券会社3選
- 5.株初心者こそおすすめ!テーマ投資を活用して少額分散投資を始めよう
投資先を「テーマ」で絞り込み。今話題のテーマ投資とは?
株式投資の手法として最近話題になっているものの1つに「テーマ投資」があります。
テーマ投資とは、名前の通り、投資する企業の銘柄を特定のテーマによって絞り込み、その企業の株式を購入するという投資手法です。
しかし、株式はもともと「自動車関連株」のように業界や事業内容によってカテゴライズされているため、このようなカテゴリ内の株式を購入することと、「テーマ投資」との違いがわかりにくい、という方も多いでしょう。
現在話題となっている「テーマ投資」は、企業の事業内容ごとに株式を分類するだけではなく、投資家が特定のテーマを選ぶと、関連した企業の銘柄を自動的にピックアップし、その場で購入できるサービスのことを指しています。
主に個人投資家向け――その中でも株式投資の初心者向けに提供されているサービスが今回の特集で解説する「テーマ投資」であり、1つのテーマを選ぶごとに10社程度の企業銘柄が自動選択され、10万円前後の少額から株式投資をはじめられるようになっています。
通常の株式投資との主な違いは、
- 「テーマ」という切り口があることで初心者でも投資先のイメージをつかみやすい点
- 「テーマ」を選ぶだけで銘柄が自動的にピックアップされる点
- 1株から購入できる単元未満株を利用することで少額からの投資が可能となる点
の3つです。
今回は、この「テーマ投資」にスポットを当てて、テーマ投資のメリット・デメリット、テーマ投資のサービスを提供しているおすすめの証券会社について解説します。
テーマ投資のメリットは?
テーマ投資のメリットの1つは、イメージのしやすさです。テーマを選べば、それに沿った関連銘柄を自動的にピックアップしてくれます。たとえば、「AI」「ブロックチェーン」「インバウンド消費」「自動運転」「ドローン」など、旬のテーマを選ぶと、投資先の事業内容をつかみやすいでしょう。
テーマの中には、最新のテクノロジーや話題のトピックを扱うものが多いことから、それぞれのテーマに将来性や希求性があるかどうかの判断もつきやすくなります。
また、テーマ投資では「働き方改革」「少子化対策」「SDGs(持続可能な開発目標)」といった社会貢献度の高いテーマを扱っている証券会社も少なくありません。株式投資の目的の1つでもある、より良い社会を実現するために企業を応援するというお金の使い方も可能です。
さらに、選んだテーマに沿って複数の企業銘柄が自動的にピックアップされる点も、テーマ投資の大きなメリット。
株式投資では、漠然と「このような企業に投資をしたい」と考えていても、実際の銘柄選びをするまでに身につけなければならない知識が少なくありません。
しかし、テーマ投資の場合は、各テーマごとに証券会社が自動で複数の銘柄をピックアップしてくれるので、投資家は提示された銘柄を見て購入の可否を判断するだけでOK。銘柄選定にかかる投資の手間を大幅に省くことができます。
さらに複数銘柄への投資が可能なことから、1社の株式を購入するよりもリスクを分散でき、1株単位で購入できる「単元未満株」を使用するため、最低投資額も10万円からと小額の資金から投資できます。
「株式投資に興味はあるが、決算書の読み方などをじっくり勉強する時間はない」「余剰資金で少しだけ株式投資を体験してみたい」という株初心者にとって、テーマ投資は大変使い勝手の良いサービスと言えるでしょう。
- テーマ投資のメリット
- 投資の判断が容易になる(テーマという基準ができる)
- 投資対象銘柄のリストアップや絞り込みをしてもらえる
- 分散投資でリスクを抑えられる
- 少額(10万円前後)から投資をはじめられる
- SDGsなど社会貢献度の高い企業への投資ができる
テーマ投資のデメリットは?
一方、テーマ投資にもデメリットはあります。それは、それぞれのテーマが産業界の流行や社会情勢などに左右されやすい点です。たとえば、現在は最先端のテクノロジーが将来的に陳腐化する(時代遅れになり価値が下がる)ケースなどが考えられます。
市場でのニーズがなくなれば、企業の業績や株価も低迷し、損失につながりやすくなるため、自分の選択したテーマが現在、どの程度の市場ニーズがあるかは、株式購入後もチェックしましょう。
また、テーマ投資で選定される銘柄が本当に優良株なのかどうか不安という方もいらっしゃるはず。
投資である以上、個別銘柄の値動きを完全に予測することは難しく、また、優良株の判定は過去データをもとに行うため、突発的な状況(不祥事や自然災害による損失など)が予測しづらいという点もデメリットの一つ。
ただし、IR情報などから優良株を選定する手法は、プロの機関投資家やファンドマネージャーが多くの知見を積んでいる分野であり、最近ではAIによる情報収集・分析も盛んです。テーマ投資の銘柄選定に、このような優良株判定のノウハウが活用されていることは、各証券会社とも明記しています。
そのため、投資家が個人で情報収集をするのと同等以上の精度はあると考えるのも1つ。選定された銘柄は購入前にチェックできるので、不安があれば購入を見合わせることも可能です。
なお、現在のテーマ投資は、国内株式が主流です。海外に分散投資をしたい場合は、別の投資商品(海外株式・海外ETF・つみたてNISA・ロボアドバイザー・iDeCoなど)と組み合わせると良いでしょう。
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テーマ投資は、提供する証券会社によってはNISA枠が利用できないケースがあります。自動積立に対応していない証券会社も多いため、積立をしたい場合は、自分自身で追加購入をする必要があります。
- テーマ投資のデメリット
- 流行や社会情勢に左右されやすいテーマもある
- 銘柄選定の信頼性
- 現在は国内上場株式が主流
- NISA枠が利用できない場合がある(証券会社により異なる)
- 積立はできないケースが多い(手動で追加購入をすれば可能)
また、テーマ投資のみのデメリットではないものの、他の投資と同様のリスクは、テーマ投資にも存在します。
- 投資に共通するリスク
- 値下がり(価格変動)リスク……株価が変動することで損失を被るリスク。
- 流動性リスク……売買できるのは市場のオープン時間のみ。土日祝日は休み。
- 信用リスク……企業の不祥事や倒産リスク。テーマ投資では企業業績・評判などは証券会社がチェック済みだが、自身でも確認できればベター。
- カントリーリスク……国ごとに発生する非常事態(海外に限らず、国内も)。自然災害、社会体制の変化、テロ・戦争、貿易摩擦・国際関係の悪化など。
- 為替変動リスク……国内株式の場合は、為替変動により企業の仕入れや業績などが影響を受ける場合が多い
テーマ投資を扱うおすすめの証券会社3選
テーマ投資は現在、多くの証券会社が注目している投資サービスです。テーマ投資の提供歴が長く、知名度が高いのは、おもに以下の3社。
テーマ投資が初めてという方は、これらの証券会社から投資をスタートすると良いでしょう。
Folio(フォリオ)
テーマ数 | 80テーマ ※主なテーマ 半導体材料、ヘルステック、ストップ!人手不足、キャッシュレス・ジャパン、カジノ解禁、VR(仮想現実)、コスプレ、e-Sports、アフターIPO、アンチエンジング、再生医療テクノロジー、メンズコスメ、ようこそ日本へ、温泉、ペットと暮らす、花粉症対策、はたらく女性、働き方改革、子育てを楽しく、京都、寿司ほか |
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取引手数料 | 売買代金の0.55%(税込) ※手数料最低額50円 |
最低投資額 | 初回10万円以上1円単位 追加1万円以上1円単位 |
選定銘柄 | 1テーマにつき10社 ※プロが厳選した有望企業10社 |
ここがポイント! |
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株式会社FOLIOが運営するオンライン証券会社。テーマ投資に特化しており、パソコンはもちろんスマートフォンからでも簡単に株取引ができる。口座を開設したあとは、入金のうえ、気になるテーマをカートに入れて決定すれば取引が完了。
投資銘柄は、それぞれのテーマごとに有望企業10社を厳選。購入の際は、投資スタイル(バランス型、ディフェンス型、グロース型、バリュー型)を選ぶことによって、銘柄の配分比率が異なる。
購入したテーマ銘柄は3ヶ月に一度、リバランス提案が行われ、投資者の判断で実行の可否を決められる。NISAには非対応。銘柄単体での売買にも対応していない。また、注文は発注時間内の成行注文のみとなる。
テーマ数は80と圧倒的で他にはないユニークなテーマも多い。初心者でも楽しみながらテーマ投資ができるおすすめの証券会社。
「テーマキラー!」(SBI証券)
テーマ数 | 30テーマ ※主なテーマ AI、10連休、AI医療診断、VR(仮想現実)、Vチューバー、ドローン、改元、サイバーセキュリティー、5G、iPS細胞、グローバルニッチ、セルフレジ、越境EC、電気自動車、仮想通貨、全固体電池、スマート農業ほか |
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手数料 | 売買代金の0.55%(税込) ※最低額55円 |
最低投資額 | 10万円コース、20万円コース、30万円コース |
選定銘柄 | 1テーマにつき10社 ※株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドによる独自の市場、銘柄分析に基づく |
ここがポイント! |
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オンライン証券会社大手・SBI証券が提供するテーマ投資。SBI証券の国内株取引の1サービスとして提供されているため、利用の際はSBI証券への口座開設が必須となる。
テーマ数は30で、経済誌等で話題になるテーマ・サービス等を扱ったものが多い。投資額は10万円コース・20万円コース・30万円コースの3種類から選択可能。
テーマごとに選定される銘柄は10社だが、希望する銘柄のみ選んで発注することもできる。注文は発注時間内の成行注文のみで、指値・逆指値注文は非対応。また、スマートフォンからの取引にも対応していない。
購入後は、Folioのようなリバランス提案も行っていないが、国内のテーマ投資では唯一、NISA口座での買い付けが可能となっている。
テーマ投資に特化したFolioと比較すると、それぞれに一長一短があるため両者を比較のうえ上手に利用したい。
「テーマ投資ガイド」(松井証券)
テーマ数 | 非公開 |
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手数料 | 無料 |
最低投資額 | 10万円前後から(1銘柄100株単位での購入) |
選定銘柄 | 1銘柄(原則100株単位での購入) |
ここがポイント! |
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オンライン証券会社の松井証券が提供する投資情報ツールの1つ。
毎日400本配信される豊富なニュースの中から気になるテーマを選ぶと、そのテーマに関連する銘柄をリストアップし、取引画面で購入することができる。
Folioやテーマキラーのようなテーマ別の銘柄の選定や単元未満株を利用してのパッケージ化は行われないため、投資者が自分で銘柄を選ぶ必要がある。また、購入は単元株(100株単位)が基本となるため、複数銘柄を購入する場合は、銘柄ごとに10万円から40万円程度の投資資金が必要となる点に注意したい。
「テーマ投資」という投資商品ではなく、株式を投資を「テーマ」で絞り込むためのツールと捉えたほうが良いだろう。そのぶん、松井証券に口座を持っていれば、無料(株式の売買代金のみ)で利用することができる。
なお、松井証券は10万円未満の現物株取引が手数料無料。IPO(新規公開株)の購入手数料も無料となっている。株取引を行うのであれば口座を持っていて損のない証券会社の1つだろう。
株初心者こそおすすめ!テーマ投資を活用して少額分散投資を始めよう
テーマ投資は「テーマ」という枠組みと1株から購入できる単元未満株を利用することで複数の企業に分散投資できる新しい株式投資の手法です。
銘柄を選定する手間を省くことができるため、投資初心者や、仕事・育児等に忙しい現役世代が気軽に株式投資をはじめられる点が最大のメリット。
投資をはじめてみたくても、知識などのハードルの高さや資金面で、きっかけがつかみづらい、と感じる初心者少なくありません。
「自分に興味のある分野の企業に、気軽に投資をしてみたい」と考えている株式投資初心者の方は、今回ご紹介したテーマ投資の記事も参考に、各企業のテーマや選定銘柄などをチェックするところからはじめてみてはいかがでしょう。