ひふみ投信、セゾン投信、さわかみ投信の運用成績と手数料を比較!独立系投信のおすすめは?
投資初心者にもおすすめ。独立系(直販型)の投資信託って?
老後の生活資金が2,000万円不足する……というニュースをきっかけに、資産形成に興味を持った方は多いのではないでしょうか。
長期でコツコツと資産を築いていくための方法として、つみたてNISAやiDeCoなど、さまざまな投資関連の税制優遇制度が新設されています。
なかでも、手軽に分散投資ができ、長期の運用に向いた投資商品として、投資初心者を中心に高い人気を誇るのが、投資信託です。
近年は、運用会社が、証券会社や銀行を経由せずに直接、個人投資家に向けて販売している「独立系(直販型)投資信託」が、手数料面・運用成績においても優れているとして、投資初心者はもちろん、投資上級者からも人気を集めています。
そこで本特集では、独立系の投資信託として知名度が高い「ひふみ投信」「セゾン投信」「さわかみ投信」を比較。運用成績や手数料、投資方針の違いなど、気になるポイントをわかりやすく解説します。
老後の資産形成のために長期運用をはじめたい方、低コストの投資信託で投資をスタートしてみたい方は、ぜひ最後までチェックしてください!
- 目次
- 1.独立系投信(直販投信)のメリット・デメリット
- 2.人気の独立系投信3銘柄「ひふみ投信」「セゾン投信」「さわかみ投信」を比較!
- 3.独立系投信(直販投信)の選び方・チェックポイント
- 4.独立系投信は実力派!自分に合った投資信託でしっかり資産形成をしよう。
独立系投信(直販投信)のメリット・デメリット
独立系投信(直販投信)は、前述の通り、運用会社が直接販売する投資信託のことです。
通常、投資信託は、証券会社や銀行などが販売窓口となり、購入希望者は、口座を開設することで、その証券会社(あるいは銀行)が取り扱う、さまざまな投信を購入することができます。
一方で、独立系の投資信託は、購入者が運用会社と直接取引を行うため、購入者は、原則としてその運用会社で口座を開設し、運用会社が取り扱う投資信託を購入することになります。
独立系投信のメリットは、販売会社を経由しないため、売買時の手数料がかからない、または割安な手数料で投資できるファンドが多い点。また、運用会社が販売元となるため、ファンドの運用者(ファンドマネージャー)や運用レポートなどの情報が充実している点もメリットです。
また、独立系投信は、運用成績が人気と収益に直結するため、人気が落ち投資資金の集まらないファンドは、すぐに募集停止となります。直販での取り扱いが長く、運用資金が順調に増えている投資信託は、運用会社の運用手腕が高いことを意味しており、人気のある優れたファンドを見極めやすい点もメリットと言えるでしょう。
ただし、ひとつの運用会社が扱うファンドの数には限りがあり、多くても3~7種類ほど。1種類のファンドしか扱わない運用会社も少なくありません。投信の選択肢が少ない点は、独立系投信のデメリットです。
また、すでに他の金融機関でNISA口座を開設している場合、直販の投信をNISAで運用するためには、既存のNISA口座を廃止し新たに開設する必要があります。NISAに関連する手続きが煩雑な点もデメリットと言えるでしょう。
さらに、独立系投信には、市場平均よりも高いパフォーマンスを目指す「アクティブ型」の投資信託が多く、これらの信託報酬は、市場の指標に連動し平均的なパフォーマンスを目指す「インデックス型」の投信と比較すると、高くなる傾向があります。
- 独立系投信(直販投信)のメリット
- 購入手数料がかからない
- ファンドマネージャーなど運用者の情報がわかる
- 運用レポートなどの情報が豊富
- 運用成績が悪い会社は自然淘汰されるため、実績のある運用会社が多い
- 独立系投信(直販投信)のデメリット
- ひとつの運用会社が取り扱う投資信託の数が少ない(1~7種類ほど)
- NISA口座で運用できない場合がある(他の証券会社・銀行にNISA口座を持っている場合は、既存口座の廃止手続き等が必要)
- アクティブ型の投信は信託報酬がやや高い
人気の独立系投信3銘柄「ひふみ投信」「セゾン投信」「さわかみ投信」を比較!
それでは、独立系投信の中でも特に人気の高い銘柄について、具体的な情報を見てみましょう。
ひふみ投信
ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
レオス・キャピタルワークスが取り扱う直販型の投資信託。格付投資情報センター(R&I)が選定する「R&I ファンド大賞 2019」で最優秀ファンド賞を受賞している。投資対象は、国内株式9:国際株式1で、約240銘柄に投資。
運用元のレオス・キャピタルワークスでは、直販型の「ひふみ投信」のほか、証券会社を経由して購入する「ひふみプラス」、iDeCo対応の「ひふみ年金」も運用しており、いずれも高い人気と知名度を誇る。
購入する際は、総合取引口座を開設後、指定の銀行口座に投資資金を入金し、ひふみ投信の買付注文を行う。オンラインサービスの「ひふみWeb」では運用状況の確認や換金手続き、積立の設定などが可能。
NISA口座の開設申し込みをすることでNISAやつみたてNISAでの運用も可能となる。
投資信託の保有年数に応じて信託報酬を一部還元しており、アクティブファンドとしてはランニングコストを抑えた投資ができる。
買付手数料 | 無料 |
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信託報酬 | 年 1.078%(税込) ※保有期間に応じて信託報酬を一部還元 保有期間5年~10年……年0.874%(税込) 保有期間10年超……年0.671%(税込) |
信託財産留保額/解約手数料 | 無料 |
組み入れ銘柄 | 国内株式89%、国際株式10%、その他1% |
運用成績 2020年1月7日時点 |
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セゾン投信
長期分散投資を目的として2007年に直販型投資信託の運用・販売をスタート。アクティブ型投資信託「セゾン資産形成の達人ファンド」と、インデックス型投資信託「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の2本を取り扱い、セゾン投信のみで長期国際分散投資が可能となっている。
投資信託を購入する場合は、セゾン投信に口座を開設し、入金のうえ買付を申し込む。通常口座での購入のほか、積立買付、NISA口座やつみたてNISA口座での買付にも対応している。
セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)
セゾン投信が販売する直販型の投資信託。格付投資情報センター(R&I)が選定する「R&Iファンド大賞2019」で5年連続、最優秀ファンド賞を受賞。投資対象は、安全性や長期的な収益力を基準に選定した投資信託で、国内外の株式を中心としたファンドを組み入れ、ファンド・オブ・ファンズ(投資信託に投資する投資信託)方式での運用を行う。
NISAおよびつみたてNISAの対象商品。NISA口座を申し込む際は、セゾン投信の口座を開設後、「NISA申請書」を提出する。
買付手数料 | 無料 |
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信託報酬 | 年1.35%±0.2%(税込/概算) |
信託財産留保額/解約手数料 | 0.1% |
組み入れ銘柄 | 国際株式83%、国内株式12%、その他5% |
運用成績 2020年1月7日時点 |
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セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(セゾン投信)
セゾン投信が販売する直販型の投資信託。投資対象は、国内外の株式および債券に原則50:50の比率で投資する。インデックス型の投資信託のため、同じくセゾン投信が販売する「セゾン資産形成の達人」と比較すると、信託報酬は低く抑えられている。
同じくNISA・つみたてNISAの対象商品。セゾン投信にNISA口座の開設申し込みを行うことで、「セゾン資産形成の達人」と同様に購入することができる。
買付手数料 | 無料 |
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信託報酬 | 年0.61%±0.02%(税込/概算) |
信託財産留保額/解約手数料 | 0.1% |
組み入れ銘柄 | 国際株式45%、国際債権44%、国内債券6%、国内株式4%、その他1% |
運用成績 2020年1月7日時点 |
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さわかみファンド(さわかみ投信)
さわかみファンド(さわかみ投信)
さわかみ投信が販売する直販型の投資信託。投資対象は国内外の株式で、割安な銘柄を選定し買い付けるバリュー投資を運用手法とする。
販売元のさわかみ投信では、さわかみファンド1本のみを取り扱い、1999年の設定開始以来、20年の運用実績を誇る。独立系投信の中でも知名度が高く、NISAやつみたてNISA、iDeCoにも対応。
投信を購入する場合は、さわかみ投信に口座開設し、NISA口座やiDeCo口座開設の追加申し込みを行う。アクティブ型の投資信託の中では信託報酬が比較的低い。
買付手数料 | 無料 |
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信託報酬 | 1.10%(税込み・年率) |
信託財産留保額/解約手数料 | 無料 |
組み入れ銘柄 | 国内株式88%、その他12% |
運用成績 2020年1月7日時点 |
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独立系投信(直販投信)の選び方・チェックポイント
独立系投信は上記の3社4商品以外にも数多くあります。直販型の投信は、アクティブ型が多いこともあり、運用成績は特に重要なチェックポイントになります。
また、証券会社で購入できる投資信託よりも、投信の選択肢が少ないため、NISA口座やiDeCo口座を開設する際は、どの程度保有するか、ほかにNISAやiDeCoで運用したい投資商品がないか等をよく吟味したうえで決めると良いでしょう。
独立系投信(直販投信)のチェックポイント
- 運用成績
- アクティブ型の投信では特に重要。過去から直近までの「トータルリターン」に加えて、収益の効率を測る「シャープ・レシオ」の数値もチェック(高いほど、リスクをとったことによるリターンが大きかったことを示す)。
- 運用コスト
- 主として、信託報酬をチェック。長期保有による値引きがある投資信託(ひふみ投信etc.)はコスト面でおすすめ。
- 純資産総額
- 投資信託の時価総額が順調に増えているほど、人気の高い投資信託であることを示す。
- 組み入れ銘柄&運用方針
- 投資対象は、国内か国外か、株式か債券か、銘柄を直接購入しているか、投資信託に投資するファンド・オブ・ファンズか等、投資信託の概要をチェック。すでにNISAなどで他の投資商品を保有している場合は、異なる投資対象・運用方針の投信を選んだほうが、分散効果を高められる。
- NISAやつみたてNISA、iDeCoへの対応
- 非課税制度を活用できる場合は活用する。ただし、NISAやiDeCoは、1人1口座しか開設できないため、開設先は吟味する。
独立系投信は実力派!自分に合った投資信託でしっかり資産形成をしよう。
運用会社が直接販売することで、買付手数料が不要、かつ豊富な投資情報が得られる独立系投信。
今回、ご紹介したように、多くの独立系投信は、トータルリターンや純資産総額を設定来から大きく成長させており、数ある投資信託の中でも、長期投資を行った際の投資家満足度の高い「実力派」と言うことができます。
ほとんどの投資信託が長期運用で成果を上げることを目標としていることもあって、短期売買になじみのない投資初心者や、老後を見すえてじっくり資産形成をしたい若年世代・ミドル世代におすすめの投資商品とも言えるでしょう。
「つみたてNISAやiDeCoをしてみたいけれど、どんな銘柄を選べばいいかわからない」「アクティブ型の投資信託で運用成績が良いところを知りたい」という方は、運用会社が直接販売する独立系の投信を選択肢に加えてみてはいかがでしょう?